リバティシティレポート 03:40

…リバティシティに君臨するヤクザ・オヤブンのケンジから呼び出しだ。
最近はオヤブン・ケンジが俺のクライアントって訳だ。
全く、今何時だと思ってやがる。
「1時間ほどでそっちに向かう」とそっけなく返事をする。
ケンジは電話の向こうで怒鳴り声をあげるが、無視して一方的に電話を切る。


ケンジのビズは荒事が多い。いや、荒事ばかりだ。
俺はガレージのcheeteh*1で向かうことを諦め、
移動手段を『現地調達』することにした。
cheeterは優秀な車だがケンジのビズにはもっと"タフ"な車が要求されるからだ。


深夜の通りに出ると、幸いなことに頑丈なSUV*2をすぐ見つけることが出来た。
信号で止まったところを何食わぬ顔で近寄っていく…。
周りには邪魔なポリスどももいないようだ。
ジャケットからピストルを取り出しつつ、ドアをこじ開ける。


「降りろ」


乗っていたのは若い黒人の男だった。
見たところカルテルやギャングに所属しているわけではなさそうだ。
こいつの襟首をつかみ、座席から引きずりおろす。
座席に座るとギアをバックに入れ、限界までハンドルをきったままアクセルをふかす。
タイヤの焦げる匂いとともにSUVが急旋回、
ミンチ製造機と化したタイヤが引きずりおろした男を挽肉にする。
しかし、俺は出来たてのミートボールの出来映えには目をくれず、ケンジの下へと車を走らせた。


ケンジのカジノは、商業区域の南側にある。
周囲は大企業の本社ビルなどが立ち並び、煌びやかなネオンが輝く。
カジノはその中でも特に目立ち、悪趣味なネオンを光らせている。


ケンジと俺は、まず互いに会釈をする。
「礼に始まり、礼に終わる。」
いわゆるヤクザの様式美だ。
「仕事の話に移ろう…。」
そう言ってケンジは仕事の話を切り出した。


ケンジの話を要約するとこうだ。
「俺のシマで用心棒代を回収して来い」
くそったれ。そんな仕事なら自分の使い走りにやらせればいいんだ。
俺はお前の使い走りじゃねえ、と口元まで出かかった声をこらえるのに一苦労した。
ま、こんな程度の仕事で15,000ドルもの報酬があるなら悪くない。
そう割り切って車を走らせることにした。


用心棒代は商業地区の何箇所かにある決められた場所に
アタッシュケースに入れて置いてあるらしい。
最初の場所に向かうと、確かにアタッシュケースが置いてあった。
俺はアタッシュケースを後部座席に放り込むと、次の目的地に向かった…。


次の目的地に着くと、アタッシュケースを持っている男がいた。
受け渡しに人間を使うとは聞いてないな…。
俺は首筋に「イヤな予感」を感じた。
男は俺を見るなりサブマシンガンを撃ってきやがった。
くそ! ケンジのヤツ、こんな話は聞いてないぞ!
俺も車の中からサブマシンガンで応戦する。
男の銃弾をSUVのドアで防ぎつつ、ミラー越しに男へ標準を合わせて引鉄を引いた。
数秒後、ハチの巣になった男の手からアタッシュケースを奪い取り、
最後の目的地に向かった。もちろん、十分に警戒しながらだ。
ケンジのヤツ、こうなることを見越して俺に仕事を振ったのか?
さまざまな可能性を頭の中でめぐらせてみたが、
要は生き残ればいいと結論した。ビズの裏なんぞ知ったことか。


最後の目的地は海岸沿いのバーガーショップだ。
確か、店の中に置いてあるはずだが…。
しかし、店はメチャメチャにされ、店主が鼻血を出しながら俺にくってかかって来た。
まあ、こんな時のための用心棒代だからな。
OKOK、店を襲った連中の話を聞かせろよ? きっちりお仕置してやるから。


面倒な事になってきたようだ。
店を襲った連中はポートランド工業地区の方に逃げて行った様だ。
しかも、用心棒代の入ったアタッシュケースまで持って行ったらしい。
SUVでちんたらポートランドまで行ってたら連中に逃げられちまうな。
俺はポートランドへ抜ける橋の入口で足の速い車を待った。
2分と待たずに1台のBanshee*3が通りかかった。
俺はSUVで進路を塞ぐと銃のグリップでのろまな運転手を殴り、車を強奪した。
お前のようなのろまがオーバースペックの車を運転して
事故を起こす前に保険で乗換えが出来るようにしてやったんだ。
ちょっとした額の傷くらい安いもんだろ?


店主の話から推理するに店を襲った連中はポートランドを根城にするギャングのようだ。
おそらく、ポートランドのガレージの近くにある公園でたまってるはずだ…。
公園の前をさりげなく車で通ると、案の定、公園に連中が6人ほど見える。
離れた場所に車を止め、ライフルのスコープで覗くと、アタッシュケースもあるようだ。
俺の推理は当っていたようだな。さて、どう落とし前をつけようか…。
他のギャング達に警告をするためにも出来るだけ粗雑な手段で教育してやる必要があるな。
俺は以前ポートランドの乞食から奪い取った火炎瓶で焼き殺すことにした。


車を降り、ゆっくりと公園に近付く。
ジッポで火炎瓶に火を付け、連中の真ん中めがけて放り投げた。
ガラス瓶が割れると同時に瓶の中の特殊燃料が一気に燃え、爆発!
言葉どおり「燃える水」と化した特殊燃料がギャング達の服に
「燃えたまま」付着する。
連中は悲鳴をあげながら懸命に火を消そうとするが、そんな程度じゃ消えはしない。
数分後、ギャング達は全員火にかけたまま忘れられたシチューのように黒焦げになった。
朝、連中の仲間がこの黒焦げ死体の山を見て、
どれだけやばい相手にケンカを売ったのか知る事になるだろう。
俺は肉の焼けるイヤな匂いの中、焦げてしまったアタッシュケースを手に取り、
事の顛末を報告するためケンジのカジノへと向かった…。




…勢いに任せて書き散らかしてみた!
…だってヒマなんだもん!(涙目)

*1:ゲーム中トップクラスのスピードを誇るスポーツカー。とにかく速い

*2:スポーツユーティリティヴィークルの略。いわゆるスポーツカーっぽい。

*3:ゲーム序盤では最速の車。ただ、個人的にこの車のエンジンの音が好き。